化粧品トラブルCosmetic Skin Problems

化粧品によるトラブルCosmetics Skin Problems

化粧品の使用により起きる肌トラブル。初めて使う製品だけでなく今まで使っていた製品でも起きることもあります。使うのを休んでみたり製品を変えてみたり、それでも改善しないこともあります。
化粧品を使ってトラブルが起きると、「この化粧品は自分に合ってないのでは」と心配になるのではないでしょうか。化粧品の含有成分が心配になりアレルギー検査ではっきりさせたいと考える方も多いのですが、使用後に肌トラブルが起きた=化粧品アレルギー、とは限りません。化粧品によるトラブルには実に様々な要因があります。背景にある要因が多岐にわたる、これが化粧品によるトラブルの診療を難しくしているところです。
そして化粧品のアレルギー検査をしたいと受診される方にいつもお伝えするのは、まずは治療が優先であるということです。すぐに原因をはっきりさせたいお気持ちはよくわかりますが、肌に炎症がある場合は、何よりもまず適切な治療を速やかに行うことが大切です。

アレルギー検査の前に治療を優先する理由

  1. 原因に関わらず、初期治療に大きな差はない
  2. 皮膚の炎症が長引くと、肌の回復力は下がり色素沈着なども残りやすくなる
  3. 化粧品のアレルギー検査は時間がかかる(すぐには検査に進めない)

① 肌に炎症が起きている際、初期治療は原因によって大きく変わることはありません。
火事の際に、着火の原因をゆっくり調べてから消火作業を行ったりはしないのと同じです。

② 治療が遅れて炎症が長期化するほど皮膚のダメージは強くなり治療期間もその分延びます。色素沈着など炎症の後遺症も残りやすくなります。起きている炎症は速やかに抑えることが重要です。

③ 多くの方がアレルギー検査として思い浮かべる血液検査は、通常受診するとすぐに受けられます。しかし化粧品のアレルギーを調べるのは血液検査ではなくパッチテストという準備の必要な検査です。パッチテストは通院回数も多く、すぐに検査スケジュールを立てるのが困難です。

当院では、皮膚アレルギーの専門診療科にいた経験から、化粧品によるトラブルや必要に応じてアレルギー検査も対応します。化粧品が皮膚に接触したことによるアレルギーが疑われた場合は、血液検査ではなく、皮膚に物質を貼り付けて反応を確認するパッチテストを行います。
詳細はパッチテストのページをご参照ください。
パッチテストは夏季は休止しています。再開は9月末頃の予定です。化粧品のパッチテストの場合は、検査前の準備に十分な期間が必要です。再開する時期に検査を希望される方は夏の間にご相談ください。

パッチテストについて

化粧品トラブル Q&A

Q. アイメイクをするとまぶたに赤みや痒みが出る。アイシャドウのアレルギーですか?

アイシャドウへのアレルギーの可能性もありますが、別の原因で症状が起きていることも多々あります。この相談はとても多いですが、多くの例で、治療後はアイシャドウを問題なく使えるようになっています。この場合、アレルギー検査は不要です。本当にアレルギーを発症した場合は、治療をしても通常使えるようにはなりません。
また仮に何かへのアレルギーがあるとしても、それがアイシャドウとは限りません。アイライン、ブラシやスポンジ、ビューラー、マスカラ、アイクリーム、など様々な可能性もあり詳細な検討が必要です。


Q. 今までずっと使っていた化粧品で荒れるようになったのはなぜ?

アレルギーに関してよくある誤解の一つですが、今まで使えていたものが今後もずっと大丈夫とは限りません。何か特定の物質に対するアレルギーとは、“生まれた時から持っている”ものではなく、人生の途中で“発症する”ものです。


Q. アレルギーを調べなくても、合わないと感じた化粧品を中止すればいいのではないですか?

合わないと疑った化粧品の使用を中止した後に、肌トラブルが起きず生活に支障がない場合は、それで全く問題ありません。しかしもし化粧品に含まれる何らかの成分へのアレルギーがあった場合は、その成分が含まれた他の製品でも症状が出るようになります。製品を変えても症状が出る、または常に肌荒れを繰り返す、という場合はこのようなことが背景にある可能性もあるので、検査を行うことがあります。

院長の化粧品への想い

私は元々関心のあったスキンケア指導を診療に活かしたいと考えて皮膚科医を志しましたが、その想いは皮膚科医になって20年経った現在も変わりません。
通常の診療においても、ニキビやアトピー性皮膚炎、いわゆる敏感肌・肌荒れといった、スキンケア指導が治療に深く関わる疾患の診療に力を入れています。

皮膚科医になって皮膚科領域の様々な診療に携わる中で、安心して使えるはずの化粧品や塗り薬でも接触アレルギー(アレルギー性接触皮膚炎)を起こしうることを知りました。これらのアレルギーの検査であるパッチテストが、必要でありながらも実施する医療機関が少ないことも衝撃でした。

パッチテストを行う医療機関が少ない理由としては、手間がかかることがあります。患者さんにとっては通院回数が多く面倒な検査であり、医療機関側にとっては煩雑な準備が必要です。

化粧品が好きな皮膚科医として、化粧品に不安を感じる人たちの受け皿になりたいと考えてこの分野の知識を深めたいと思いました。専門医の取得後に、皮膚アレルギー分野の臨床・研究を専門に行っている藤田医科大学(旧:藤田保健衛生大学)への短期留学に赴き、後に移籍をしています。
アレルギーの専門診療科に在籍していた期間中、数百例の皮膚アレルギーの検査に携わりました。

化粧品にはスキンケアやメイクアップ製品だけでなく、洗浄料やヘアケア製品・香水も含まれます。これらを何も使わず生活している人はほとんどいないでしょう。
化粧品は現代人にとって生活を彩る大切な役割を果たしています。1人でも多くの方が安全に化粧品を楽しめるためのお手伝いをという想いから「化粧品トラブル外来」を開設することにしました。

化粧品トラブル外来(自費診療)

すでに述べた通り、現在起こっている炎症に対しては速やかな治療が最優先です。
その一方で、「薬を塗ると改善はするが化粧品を使うとまた症状が出る」という場合、化粧品の使用を中止して過ごすことになります。症状がないので治療は必要ありませんが、生活に”支障がない”とは言えません。
化粧品は生きるのに必須ではありませんが、現代社会における多くの人の生活において必要なものであり、化粧品が使えない状況はその人の生活の質が障害されていると言えます。
そこで、自分の化粧品について調べたい、今後どの化粧品なら使って良いのか知りたい、という「相談」を承る外来を開設します。この外来は自費診療となり、予約のみ(※)で承ります。

※当院の通常の予約はWeb予約ですが、この外来は受診した上での直接予約とします。電話での予約は承っておりません。ご了承ください。

必要に応じて、実際の化粧品を用いてのパッチテスト、また精査として成分パッチテスト(後述)も検討します。
具体的な製品についての使用状況や症状などを伺いますので、製品名がわかる写真や成分がわかるサイトを印刷したものなどをお持ちください。

成分パッチテスト

ある製品に対してパッチテスト陽性でアレルギーが疑われた場合、その製品に含有成分に対してのパッチテストについて検討します※。
※製品のメーカーからの成分の入手の可否や検査スケジュールの都合により、検査が不可能なケースもあります。

料金(税込み)

化粧品トラブル外来受診料(10分程度の診察) 11,000円
化粧品パッチテスト検査手技料 5,500円~
1項目(製品や成分)につき 1,100円~

・通常の診療中に化粧品に関する相談(”スキンケア指導”のページ参照)をした際に自動的にこの外来に切り替わることはありません。
・この外来は化粧品の紹介や購入を目的とするものではありません。美容目的のスキンケアのご相談は通常の美容診療としてご受診ください。

スキンケア相談について

ご了承ください

お電話にて、どのような化粧品が調べられるか?いつパッチテストできるか?などのご質問を頂いても対応は致しかねます。 化粧品や含有成分に対するアレルギー検査の進め方はケースバイケースの部分が大きく、医師による専門的な話になります。スタッフが電話で詳細を回答することは控えさせていただきます。

ご予約についてReserve

保険診療も予約優先当日30分前まで予約可

当院は「密にならない対策」として予約優先制としております。時間帯でのご予約をしていただく事で、院内での待ち時間の削減に努めています。
ご理解・ご協力のほどよろしくお願い致します。

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